抄録
日本摂食障害学会は, 摂食障害の診断・治療の向上を目的に治療ガイドライン作成委員会を設置し, 「摂食障害治療ガイドライン」を「診療ガイドライン作成の手引き」にしたがって策定した. 精神科医, 心療内科医, 心理士, 看護師, 養護教諭など摂食障害治療に携わる人たちを読者対象としている. 「診断から治療への流れ」を中心とし, 初診時の見立て, ケースフォーミュレーション, 治療選択の手順を詳しく記述した. 各治療法については, エビデンスに基づく日本での治療の実情がわかるよう工夫した. また, 治癒判定基準と転帰調査について日本におけるエビデンスを中心に記述した. 本ガイドラインは2012年2月に医学書院より刊行された.