心身医学
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原著
日本語版Somatic Symptom Scale-8 (SSS-8 [身体症状スケール]) の開発
—言語的妥当性を担保した翻訳版の作成—
松平 浩川口 美佳村上 正人福土 審橋爪 誠岡 敬之Bernd Löwe
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2016 年 56 巻 9 号 p. 931-937

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抄録

目的 : Somatic Symptom Scale-8 (SSS-8) は, 身体症状による負担感を評価する自記式の質問票である. 今回, SSS-8をわが国へ導入するため, 原作の英語版を翻訳し, 言語的妥当性を担保した日本語版を作成した.  方法 : 原作者から日本語版作成の許可を得た後, 言語的に妥当な翻訳版を作成する際に標準的に用いられる手順 (順翻訳→逆翻訳→患者調査) に従って日本語版を作成した.  結果 : 日本語を母国語とする2名の翻訳者が, それぞれ日本語に翻訳し, 一つの翻訳案にまとめた [順翻訳] . 英語を母国語とする翻訳者が日本語案を英語に翻訳し直した [逆翻訳] . 次に, 原作者との協議を通じ, 原作版と日本語案の概念の整合性を確認し, 日本語暫定版を作成した. 筋骨格系疼痛および身体症状の経験を有す患者5名 (男性2名, 女性3名 ; 平均年齢54.4歳) に調査を行った結果, 全体として, 日本語暫定版の表現に問題はないと判断した.  結論 : 一連の過程を経て, 言語的妥当性が担保された日本語版SSS-8を確定した.

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© 2016 一般社団法人 日本心身医学会
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