心身医学
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原著
うつ病評価尺度 (Jiテスト) の開発
—統計的解析とストレスチェック制度への展望—
伊藤 英樹
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2017 年 57 巻 9 号 p. 944-954

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抄録

目的 : 一般外来で簡単に使用でき利便性の高いうつ病評価尺度 (Jiテスト) の開発を目指した.  方法 : うつ病症状の代表的な9項目 (抑うつ, 興味や喜びの喪失, 易疲労性と気力の減退, 実存, 希死念慮, 不安, 思考力・注意力・集中力の低下, 身体化, 睡眠障害) を抽出し下位尺度とした. 各項目における症状を日常生活障害とし, 4件法での回答により総得点 (0~90点) を総合的指標として統計的解析を実施した.  結果 : 当診療所における新患91名を対象とし, 回答者91名の平均年齢は45.3歳, 男女比は27名/64名, 平均得点は40.0点であった. 信頼性を示すCronbachのα係数は0.938であった.  結論 : 既存尺度との比較による内容妥当性も有意な相関を認め, Jiテストの信頼性および妥当性は十分と考えられた. また臨床診断における総合評価との比較も実施し十分な信頼性を得られた. 現在, 施行されているストレスチェックへの展望も鑑み, 検証データの考察から詳細なご報告をしていきたい.

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© 2017 一般社団法人 日本心身医学会
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