心身医学
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資料論文
緩和ケア病棟における患者・家族への心理支援体制について
梁 大樹
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2020 年 60 巻 3 号 p. 249-255

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抄録

在宅ケアや地域包括ケアの推進などにより, 緩和ケア病棟における入院期間の短縮化が進んでいる. 患者・家族と関われる時間に限りがある中で, 私たち医療者は多様な心理社会的ストレス状況にある患者・家族の支援に関して, どのような役割が果たせるのか. 当院緩和ケア病棟における患者・家族への心理支援の取り組みについて紹介し, 地域における医療機関の役割について振り返る. 相談窓口の設置, 多職種連携, 地域連携, グリーフケアといった支援体制の構築により, 患者・家族が語れる・相談できる機会は増加した. また, 心理支援について学び話し合う機会や患者・家族のニーズを理解する機会を設けることで病棟全体の支援に関する知識や技術の向上につながった. さらに, 地域との定期的な交流により, 幅広い心のケアを提供できるようになった.

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© 2020 一般社団法人 日本心身医学会
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