2022 年 62 巻 2 号 p. 127-131
喫煙は性格特徴の影響を受ける行動様式の1つであり,喘息死の要因でもある.したがって,喫煙に関連する性格特徴に焦点を当てた禁煙介入は,気管支喘息の死亡リスクの減少に寄与するといえる.しかし,喫煙に関連する性格特徴の先行研究では,統一された結果が得られていない.
抑うつは,喫煙行動と相互に増強し合う関係にあり,気管支喘息の増悪因子でもある.さらに,抑うつはその病態の形成に性格特徴が影響する.そこで,今回は抑うつ状態の喫煙者と非喫煙者の性格特徴を調査比較し,結果から喫煙気管支喘息患者の性格特徴と,それに焦点を当てた禁煙介入を考察した.
抑うつ状態の喫煙者は,非喫煙者よりも問題に対して閉鎖的な姿勢が強く,解決に至らない傾向があり,抑うつが持続することで喫煙が助長されると考えた.喫煙気管支喘息患者においても同様の傾向が想定され,積極的な問題解決への姿勢の強化が,抑うつの持続を防ぎ,禁煙の一助となると考えた.