2022 年 62 巻 4 号 p. 296-300
高齢化社会の進展や,Society 5.0への移行を見据え,さまざまなロボットの開発や活用検討が進んできている.国などの施策などによる開発支援も進められ,介護領域においても,次第にロボット活用に対する認識が広がりつつある.今回の学会講演では,介護領域でも活用・検討が行われている,「コミュニケーション」が可能なロボットの「存在感」や「存在」について,人との関わりの位置づけなどについて考察を行った.特にコミュニケーションロボットというユニークなユーザーインターフェイスによる存在感は,人の行動変容につながることも指摘されている.生活の中で利用する場合,存在感や存在の位置づけが,重要な要素の1つになると考える.今回,このようなロボットの存在感や存在について触れるとともに,ロボットの展開や活用に関することや,今後の臨床応用の可能性について言及する.