心身医学
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シンポジウム:皮膚科心身医学
皮膚科でできる交流分析
堀 仁子
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2024 年 64 巻 2 号 p. 125-130

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抄録

皮膚症状を見るだけではなく,患者の抱える心理・社会的背景および患者特性を全人的に診る診療法を皮膚科心身医学的アプローチという.かゆみや慢性の経過,露出部の皮疹など皮膚疾患が心理面に与える影響もあわせて診療する姿勢が必要である.

交流分析は,心理や行動についてのひとつのパーソナリティ理論で,構造分析,交流パターン分析,ゲーム分析,脚本分析の4つを基本理論にしている心理療法である.エゴグラムを用いた構造分析は,患者の性格傾向を知り,患者特性にあわせた外用指導や治療の提案の仕方に役立つ.患者の皮膚症状をコントロールしつつ,自己肯定感を増幅させ,その後の人生をより自分らしく歩んでいけるようになることを診療の最終ゴールにしており,その手段のひとつとしてエゴグラムを活用している.

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© 2024 一般社団法人 日本心身医学会
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