論文ID: 2023002
本研究の目的は,完全主義傾向および睡眠に対する非機能的な信念が主観的睡眠評価と生理学的睡眠状態に与える影響について検討することであった.睡眠障害の疑いで受診し,終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)を施行した患者130名(男性86名,女性44名)を対象とし,新完全主義尺度,睡眠に対する非機能的な信念と態度質問票,アテネ不眠尺度およびPSG結果について分析をした.その結果,完全主義傾向および睡眠に対する非機能的な信念が,主観的睡眠評価および生理学的睡眠状態にそれぞれ影響を与えていることが示された.主観的睡眠評価および生理学的睡眠状態の改善に取り組む際には,完全主義傾向や睡眠に対する非機能的な信念を緩和させるような支援が必要であり,心理学的アプローチが関与できる可能性があると考える.