成人期のADHD症状に及ぼす親の養育態度の検討

抄録

親の養育態度が成人期の注意欠如・多動症（attention deficit/hyperactivity disorder：ADHD）症状に影響を及ぼすかを検討することを目的とし，18歳以上の成人1,017名を対象としたオンライン横断的調査研究を行った．ADHD症状を有する者（146名）と，年齢および性別をマッチングさせたADHD症状を有しない者（146名）の2群を従属変数として，親の養育態度を独立変数としてロジスティック回帰分析を行った．その結果，父親の冷淡支配型群はその他の養育態度型群に比べてオッズ比が3.64，母親の冷淡支配型群はその他の養育態度型群に比べてオッズ比が2.12であり，父親および母親の冷淡支配的態度と成人期のADHD症状を呈する可能性との関連が示された．