抄録
腎臓における副甲状腺ホルモン関連ペプチド (PTHrP) mRNAの発現量をRT-PCRにより,局在をin situ hybridizationにより検討した。マウス腎の発達段階における検討では,PTHrPmRNAは0日齢,1週齢で最も強く発現しており,腎におけるネフロン形成の終了する2週齢以降明らかに発現量は減少した。また,胎齢16日の腎では,S-shaped bodyやureteric budを含む未熟な腎皮質領域 (nephrogenic zone) をはじめ,腎盂上皮,集合管,尿細管,糸球体に強いシグナルを認めた。また,出生直後においても腎盂上皮,集合管,nephrogenic zoneに強いシグナルを認めた。これらから,PTHrPは腎の発達に関与していると考えられる。