抄録
腎の形態・機能障害と先天性半身肥大を伴う腹部腫瘍の2例を報告した。1例目は10歳女子で左側先天性半身肥大と両側性海綿腎を有す。小さい右腎は高度の機能不全をきたし,大きい左腎は軽度の機能障害がみられた。超音波検査により右副腎腫瘍が発見され摘出した。病理診断は良性腺腫。現在22歳で腹部腫瘍の発現は以後にはない。2例目は11歳女子で主訴は潜血尿で,左側先天性半身肥大および皮膚所見等よりProteus症候群が疑われた。腎形態に著しい左右差があり,右腎は過成長,左腎は低形成と考えられた。6カ月毎の腹部超音波検査で15歳のとき固形腫瘤様の右卵巣腫瘍 (長径6cm) を発見した。18カ月後に腫瘍は直径13cmの多房性嚢腫に増大したため摘出した。(病理診断: 顆粒膜細胞腫,若年型,低悪性度)。