2005 年 18 巻 1 号 p. 57-58
ネフローゼ症候群における糸球体係蹄の透過性亢進は形態学的にはpodocyteのfoot process effacementと関係していると考えられているが,これを検証した。27例の微少変化ネフローゼ症候群(MCNS),6例のIgA腎症,7例のコントロールについて電顕による形態測定からfoot processの幅(FPW)を計測した。正常コントロールではFPWは580±40nm,無治療のMCNSでは1600±440nm,プレドニン治療中の再発時のMCNSでは920±200nm,IgA腎症では800±170nmであった。これらのFPWの程度は蛋白尿のレベルとは相関しなかった。この結果はfoot process effacementは蛋白尿のレベルと相関するではなく,それぞれの疾患におけるpodocyte障害の違いを反映するものと考えられる。