2005 年 18 巻 2 号 p. 123-126
薬剤による膀胱炎はアレルギー反応の関与が示唆され,病理組織学的には好酸球性膀胱炎の所見を呈するものが多い。臨床的には強い膀胱刺激症状を呈し,通常の膀胱炎治療に対しては難治性であること,および投与薬剤の中止により速やかに軽快することで診断される。抗アレルギー剤・トラニラストによる膀胱炎は成人で数多く報告されているが,小児における報告例は少ない。今回,筆者らは火傷に対するケロイド・肥厚性瘢痕治療の目的で投与されたトラニラストによってアレルギー性出血性膀胱炎を呈した3歳,男児例を経験した。そこで小児におけるアレルギー性膀胱炎について自験例と誌上報告例からその臨床的特徴を検討したので報告する。