日本小児腎臓病学会雑誌
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原著
原発性無月経の精査を機にFrasier症候群と診断した末期腎不全の1例
山藤 陽子三善 陽子難波 範行平井 治彦道上 敏美虫明 聡太郎中島 滋郎大薗 恵一
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2006 年 19 巻 1 号 p. 15-18

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抄録
ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群から末期腎不全に至ったFrasier症候群の1例を経験した。16歳時の原発性無月経の精査を機に性別の逆転が判明し,さらにWT1遺伝子の検索により変異を同定した。gonadoblastoma発生を予見する必要性や,腎不全期に行われるGH療法によって腫瘍発生のリスクが増加する可能性も否定できないことから,ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群の原因の一つとして,また,ネフローゼから腎不全に至った症例においてはWT1遺伝子の検索を積極的に行う必要があると思われた。
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© 2006 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
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