日本小児腎臓病学会雑誌
Online ISSN : 1881-3933
Print ISSN : 0915-2245
ISSN-L : 0915-2245
原著
ステロイド依存性ネフローゼ症候群に対するシクロスポリン治療
―分2食前,分1食前投与および隔日投与の試み―
桑門 克治藤原 充弘武田 修明
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 19 巻 1 号 p. 4-7

詳細
抄録
ステロイド依存性ネフローゼ症候群の男児6例(MCNS5例,FSGS1例)に対して,シクロスポリン・エマルジョン製剤の分2食前投与を行った。400~600ng/mlというC2(内服2時間血中濃度)の目標値は寛解の維持に十分な目標設定であると思われた。段階的に分1食前投与に移行して2例が再発したが,C2が300ng/mlを下回っても寛解を維持した症例もあった。中止時期にあたっていた2例で隔日投与にしたところ,1例は1カ月後に再発したが,もう1例は週2回投与でも寛解を維持している。ステロイドへの依存度と同様に,シクロスポリンへの依存度も症例毎に異なることが推定されるので,C2値の目標を低く設定できる症例や投与間隔を広げることができる症例では,シクロスポリンをより長期に使用することが可能になるものと期待される。
著者関連情報
© 2006 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top