日本小児腎臓病学会雑誌
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症例報告
エンドトキシン吸着療法を施行した新生児胃破裂の1例
木原 裕貴大田 敏之福原 里恵藤原 信岩永 甲午郎中田 久美子本田 茜古田 靖彦大津 一弘亀井 尚美花見 亮治
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2007 年 20 巻 1 号 p. 71-76

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抄録
 症例は日齢3の男児。血性嘔吐,腹部膨満,腹腔内遊離ガスを主訴とし,著明な高アンモニア血症,高エンドトキシン血症を認めた。持続的血液濾過透析を施行し,アンモニア値は減少傾向となったが,低血圧は改善しなかった。エンドトキシン吸着療法を施行したところ,血圧の上昇とともに,全身状態は改善し,根治術へつなげることができた。開腹所見は胃破裂であった。体外循環に伴う問題はなく,安全に施行することができた。成人領域においては,本治療法は広く行われているが,新生児では普及するにいたっていない。本症例において有効であったエンドトキシン吸着療法について,その機序と今後の適応基準を考察した。
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© 2007 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
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