日本小児腎臓病学会雑誌
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海外論文紹介記事
海外論文紹介 : A locus for renal malformations including vesico-ureteric reflux on chromosome 13q33~34
古瀬 昭夫
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2007 年 20 巻 2 号 p. 231-232

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抄録
 VURを含むCAKUTは, 小児におけるESRDの主要な要因である。ここでは, CAKUTと関連した13q33q34の遺伝子位置について述べた。13qのdeletion mappingが, CAKUTのある4人の患児と彼らの両親について, 末梢血のgenomic DNAの31のmicrosatellite markerを用いて検索された。Positionalの候補遺伝子のmRNAの発現が, in silicoのelectronic databaseのsequenceとreverse transcription-PCRを用いた大人と胎児のマウス腎において検索された。対象の患児達は, 発達遅滞の程度と他の臓器障害の重症度はさまざまであった。CAKUTのスペクトラムは, high gradeのVUR2例, renal dysplasia2例, 水腎症1例であった。VURのある2例中1例が, 腎不全に進行した。
 Marker D13S1311とD13S285によって明らかにされた7-Mb critical regionのdeletion mappingが同定された。この部位には, 33の遺伝子があることが分かっている。In silicoによる発現の研究は, sequenced tags databaseで, 腎臓における14の遺伝子と膀胱における10の遺伝子とマッチしていることを示した。
 マウスの腎における研究は, 24遺伝子が検索され, 腎の異なった発達段階を通して, 幾つかの異なった発現を呈することと5の遺伝子は発現しないことを示した。mRNA発現パターンを示す幾つかの遺伝子を有するVURと関連するchromosome13q33q34上の新しいlocusの報告は, 腎/尿路発達の異常を含むことを示唆している。
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© 2007 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
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