日本小児腎臓病学会雑誌
Online ISSN : 1881-3933
Print ISSN : 0915-2245
ISSN-L : 0915-2245
症例報告
両側多嚢胞性異形成腎の1例
須賀 健一近藤 秀治松浦 里高松 昌徳漆原 真樹渡辺 典子中川 竜二西條 隆彦高橋 正幸香美 祥二
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 21 巻 2 号 p. 217-222

詳細
抄録
 大部分の両側多嚢胞性異形成腎 (MCDK) はPotter症候群を呈し,周産期に致死的経過をとる。周産期死亡を免れ,現在腹膜透析にて管理しているまれな両側MCDKの1例を報告する。
 母親は糖尿病のためインスリン治療をしていたが,血糖のコントロールが不良であった。在胎18週に胎児エコーで両腎に多数の嚢胞を認めたが,羊水量は正常であった。在胎33週に羊水過少を来し,帝王切開で出生した。腹部エコー,MRIで両側MCDKと診断した。左腎の一部に腎実質を認め,DMSAシンチグラフィーで左腎下極に取り込みを認めたため,左腎はsegmental MCDKと診断した。腎機能が徐々に悪化し,生後4ヵ月から腹膜透析を導入した。1歳2ヵ月で成長・発達は正常範囲内にある。本例では左腎下極に残腎機能を有していたために周産期死亡を免れえた。母親に糖尿病があり胎内での高血糖あるいはTCF2遺伝子等の異常が発症に関与した可能性があり,遺伝子検索を含めたさらなる検討を要すると思われた。
著者関連情報
© 2008 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top