抄録
1973年度から学校検尿が導入され,2002年度から現在の「学校生活管理指導表」が広く使用されている。実際の管理区分は日本学校保健会の作成した「管理区分の目安」を利用して決定し,「学校生活管理指導表」に記入しているが,制限が最近のガイドラインやエビデンスにそぐわないものがあり,またコメントで対応していることが多いなどの問題点がある。一方,管理区分の活用については腎臓病専門医においても一定の見解が得られておらず,現場の医師の判断に依存している部分も少なくない。
今回,「新・学校検尿のすべて」の改訂にあたり「管理区分の目安」の見直しを行うことになった。そこで,現在,小児腎臓病専門医により,どのような運動管理が行われているかについて小児腎臓病学会評議員にアンケートを用いて調査を行った。その結果,管理区分の選択は小児腎臓病専門医の間でもかなり異なっていたが,「管理区分の目安」と実際に行われている管理の間には大きく隔たりがあり,目安の変更が必要なことが示された。また「学校生活管理指導表」にコメントを用いて対応していることも多く,現在の管理指導表が使用に適していないと考えられた。