抄録
血液浄化装置の圧力モニタをライン式からエアフリーチャンバ式に変更したことで,回路内凝血が防止でき,回路寿命が延長した2小児例を経験した。症例1は生後2日のカルバミルリン酸合成酵素I欠損症。症例2は6歳の神経芽細胞腫。ライン式圧力モニタ搭載装置で持続的腎代替療法を開始したところ,両症例とも装置が突然停止し,モニタ回路内に凝血を認めた。エアフリーチャンバ式圧力モニタ搭載装置に変更した結果,両症例とも回路寿命が延長し,凝血を認めなかった。後者はモニタ回路内で血液と空気との接触面がなく,また,停滞や乱流を起こしにくいことが抗凝血に有利に働いたものと考えられた。