日本小児腎臓病学会雑誌
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総説
腎臓レニン・アンジオテンシン系(RAS):生命の環を支え,脅かすもの
香美 祥二
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2014 年 26 巻 2 号 p. 227-231

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抄録

レニン・アンジオテンシン系(RAS)は,腎臓レニンの発見以来,血圧や体液調節に必須の全身性調節機構(systemic RAS)という古典的コンセプトの時代を経て,RAS阻害に基づく降圧剤の開発とその臨床応用,新たな局所RAS(local RAS)コンセプトの時代へと目覚ましい展開を遂げている。特に腎臓RAS は,1)胎児期の腎発生,2)乳幼児期の腎発達,3)小児期の腎臓病の発症・進展への関与という,ライフステージの各過程における意義が異なることが明らかとなってきた。現在,小児期の慢性腎臓病(CKD)の治療法としてRAS 阻害薬が使用され臨床効果のエビデンスが積み重ねられつつある。

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© 2014 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
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