2014 年 27 巻 2 号 p. 91-95
新生児・低体重児への急性血液浄化療法としては主に腹膜透析(PD)が行われてきたが,近年,小児・乳児への急性血液浄化療法の普及に伴い新生児・低体重児への体外循環による血液浄化療法も増加している。そして新生児医療の中で急性血液浄化療法が安全に施行され,またその有効性を検証するために「体外循環による新生児急性血液浄化療法ガイドライン」が公表された。本邦の新生児急性血液浄化療法は,欧米のそれと推奨する方法やカテーテルの点で必ずしも一致しない。わが国では,1 mℓ/min の低血流速から開始可能な装置,出血の危険性が少ない抗凝固剤,低用量のモジュールなどが揃っており,これらが重症低体重児の救命や予後改善に寄与する可能性が考えられる。ガイドラインによって治療の標準化と安全性を共有し,症例を重ねながらエビデンスを発信していく必要がある。