2016 年 29 巻 2 号 p. 122-129
夜尿症は小児の6.4%が病悩するアレルギー疾患に次ぐ慢性疾患である。6 歳以降が治療の対象となるが,生活指導などにて改善しない場合,積極治療を考慮する。デスモプレシンを第1 選択とする薬物治療とアラーム治療,あるいはその併用を行い,効果が乏しい場合には,抗コリン薬や三環系抗うつ薬の治療を考慮する。三環系抗うつ薬には過量投与による心毒性があることを考慮する必要がある。日本夜尿症学会では2004 年に発表した診療ガイドラインを2016 年に改定した。本総説では,その新ガイドラインに準拠して特に単一症候性夜尿症の薬物療法の最新の知見を概説する。