日本小児腎臓病学会雑誌
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症例報告
ステロイド性高眼圧症の遷延により,治療に難渋した重症紫斑病性腎炎の1例
濵野 有里濱田 匡章川崎 有輝岡崎 智之大前 隆志石川 智朗田中 一郎
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2022 年 35 巻 2 号 p. 133-139

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抄録

重症紫斑病性腎炎に対して,ステロイドパルス療法を含む多剤併用療法を開始したところ,早期にステロイド剤による眼圧の上昇を来し,治療の変更を余儀なくされた1例を経験した.ステロイド性高眼圧症に関しては,コルチコステロイドの早期減量と,複数の点眼薬の使用により,外科的治療を回避することができた.また,腎炎に対する治療は,ミゾリビン,シクロスポリンおよびシクロフォスファミドを併用することで,尿蛋白は陰性化した.ステロイド性高眼圧症を合併した本症例では,適切なステロイド性高眼圧症治療の選択と有効な免疫抑制剤を併用することで,眼合併症を回避しつつ,腎炎治療を遂行することが可能であった.

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© 2022 一般社団法人日本小児腎臓病学会

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