2024 年 37 巻 p. 15-20
生殖器異常を合併した片側腎無形成の4女児例を報告する.1例目は12歳時に発症した月経モリミナを契機に,2例目は12歳時に右子宮の留血症に感染症を合併したことを契機に,生殖器異常と診断された.以後当院では,片側腎無形成の女児には6歳でMRIを行い,生殖器異常の有無を確認した.3例目と4例目はいずれも6歳の時点でobstructed hemivagina and ipsilateral renal anomaly(OHVIRA)症候群と診断されたが,婦人科との併診も開始し,合併症なく経過している.OHVIRA症候群などの片側腎無形成に合併した生殖器異常は,年齢によって異なる契機で診断される.診断が遅れると,月経モリミナから子宮内膜症を発症するなどして不妊症へと至ることもあるため,積極的に検査を行い,生殖器異常を早期に診断し,合併症を予防していくことが重要である.