2024 年 37 巻 p. 83-88
難治性ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群(難治性SRNS)の1歳男児の2症例について報告する.これらの症例ではプレドニゾロン(PSL)やシクロスポリン(CsA)などの投与を行ったが,完全寛解に至らなかった.リツキシマブを投与したところ,症例1では,不完全寛解ではあるものの,PSLの中止とCsAの減量を行うことができた.症例2では完全寛解し,すべての薬剤を中止することができた.また両者ともに解析しえた範囲で遺伝子異常は認めなかった.遺伝子異常のない難治性SRNSに対してリツキシマブが有効である可能性がある.