日本小児腎臓病学会雑誌
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原著
小児期発症膜性増殖性糸球体腎炎の臨床病理学的検討
久富 隆太郎 藤丸 季可藤井 隆大
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ジャーナル オープンアクセス

2025 年 38 巻 論文ID: oa.24-025

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抄録

【背景】膜性増殖性糸球体腎炎(membranoproliferative glomerulonephritis: MPGN)は免疫複合体関連MPGN, C3腎炎(C3 glomerulonephritis: C3GN),dense deposit disease(DDD)に分類されるが,いずれも希少疾患であり,臨床病理学的特徴の解明が望まれる.【方法】当科で2年以上経過観察した小児期発症MPGN症例を後方視的に検討した.【結果】症例は9例で,免疫複合体関連MPGNが3例,C3腎炎が5例,DDDが1例であった.発見動機は学校検尿が最多で,診断時に免疫複合体関連MPGN群ではネフローゼ症候群や腎機能障害を認めたが,C3腎炎群,DDD例では認めなかった.最終観察時,ネフローゼ症候群,腎機能障害を認める症例はなかったが,8例で薬物療法が継続されていた.【結論】小児期発症MPGNの多くは学校検尿で発見された.血清C3値低下は持続するが,短期の腎機能は保たれていた.

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© 2025 一般社団法人日本小児腎臓病学会

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