日本小児腎臓病学会雑誌
Online ISSN : 1881-3933
Print ISSN : 0915-2245
ISSN-L : 0915-2245
総説
小児の検尿マニュアルを地域でどのように活かしていくか :~九州学校検診協議会の展望~
大塚 泰史 郭 義胤白川 利彦仲里 仁史塩穴 真一宮田 純一宮園 明典粟田 久多佳中西 浩一
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2025 年 38 巻 論文ID: rv.24-036

詳細
抄録

九州学校検診協議会は,2004年に九州学校腎臓病検診マニュアルを作成し,九州各県で普及してきた.近年,小児慢性腎臓病の原因の多くが先天性腎尿路異常(CAKUT)となり,学校検尿ではCAKUTを含めたスクリーニングが全国で提唱された.九州も地域に合わせて尿中β2ミクログロブリン/尿クレアチニン比,超音波検査が導入できるように,マニュアルを第5版に改訂した.特に超音波検査は専門ではない医療者への啓発が必要であり,簡単な超音波マニュアルや動画の教材を作成した.約20年間にわたる九州学校検診協議会の歴史を紹介し,毎年公表している集計結果やIgA腎症の発見契機における学校検尿の役割など活動内容を解説する.Personal Health Record(PHR)導入をはじめ学校保健が進歩していく中で,九州学校検診協議会は学校検尿の成果や重要性を発信できるようさまざまな情報を活用し,今後も展開させる必要がある.

著者関連情報
© 2025 一般社団法人日本小児腎臓病学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja
次の記事
feedback
Top