日本小児腎臓病学会雑誌
Online ISSN : 1881-3933
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—総説—
溶血性尿毒症症候群の病因と予防
吉矢 邦彦中西 浩一伊藤 誠子飯島 一誠吉川 徳茂中村 肇竹田 多恵小林 一寛
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1994 年 7 巻 2 号 p. 161-163

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抄録

 消化器症状のある溶血性尿毒症症候群20例について,原因として注目されているベロトキシン産生性大腸菌との関連を検討した。95%の症例において関連が示唆された。またその感染経路として食物の関与を推定し,聞き取り調査を施行したところ60%の症例において,焼き肉の不十分な加熱での摂取や生肉の摂取歴を認めた。また,家族内での感染の可能性も示唆された。
 以上より,ベロトキシン産生性大腸菌の感染予防対策として,幼小児では生肉の摂取をさけるとともに,肉類や生水は十分に加熱する必要があると考えられる。

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© 1994 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
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