日本小児腎臓病学会雑誌
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馬蹄腎をもつ小児の臨床的特徴
黒川 麻里前原 健二郭 義胤赤峰 翔秋武 奈穂子此元 竜雄鯉川 弥須宏
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: oa.2022.0205

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抄録

本邦における馬蹄腎をもつ小児の臨床的特徴を明らかにするため,後方視的研究を行った.対象は59例中,男児は34例(57.7%),診断時年齢の中央値は1.2歳(0.0~13.3歳),観察期間の中央値は1409日(2~6134日)だった.診断名が判明している奇形症候群は14例(23.7%)であり,他の45例のうち,先天異常を伴った症例は17例(37.8%)だった.17例のうち,神経疾患は6例(35.4%),先天性心疾患は5例(29.4%)と両者で半数以上を占めていた.今回の調査で,外科治療を要した症例は9例(15.3%)で,観察期間中に慢性腎臓病ステージ2に至った症例を3例(5.1%)認めた.馬蹄腎は,症候性先天性腎尿路異常(syndromic CAKUT)の可能性があり腎外病変の有無に注意する必要がある.今回の調査では短期間で観察終了した症例も多数あり,馬蹄腎の予後についてはさらなる調査が必要である.

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© 2022 一般社団法人日本小児腎臓病学会

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