2025 年 3 巻 1 号 p. 10-17
人生100年時代を迎え,誰もが安心して健康に働ける社会の実現が求められている.近年,転倒災害の発生件数が増加しており,理学療法士による対策への貢献が期待されているが,産業保健分野での関与は限定的である.本調査では,所属施設の代表者として登録している理学療法士を対象に,転倒災害の発生状況および対策の実施状況を把握しているかを明らかにした.その結果,77%が発生有無を把握し,うち55%は詳細も把握していた.一方,対策の実施を把握していた者は15%にとどまり,内容は4S活動に関するものが多かった.74%が今後の関与に意欲を示したが,「業務として認められていない」が関与できない理由で最も多かった.今後は,理学療法士ができる範囲から取り組み,理解促進と関与拡大を図ることが重要である.
In this era of lifespans reaching 100 years, there is an increasing demand for a society in which everyone can work healthily and comfortably. In recent years, the number of fall accidents in the workplace has increased, and physiotherapists are expected to contribute to their prevention. However, their role in occupational health and safety remains limited.
This study surveyed physiotherapists to assess their awareness of the occurrence of fall accidents and determine whether preventive measures were implemented at their affiliated facilities. Participants were physiotherapists registered as representatives of their affiliated facilities.
The results showed that 77% of the respondents were aware of the occurrence of fall accidents, and among them, 55% understood the details. In contrast, only 15% of the respondents were aware of the implementation of fall prevention measures. Among the recognized initiatives, many involved 4S activities such as maintaining clear walkways and securing adequate lighting.
Furthermore, 74% of the respondents expressed interest in participating in future occupational health and safety efforts, but approximately half were not currently involved, with the most common reason being that such activities were not officially included in their job roles.
To enhance physiotherapists’ involvement in fall prevention, it is important to promote an understanding of their potential role and encourage the initiation of practical efforts—such as 4S activities—within their own departments.
本邦において労働災害による死亡者数は1961年の6,712人から減少傾向にあり,2022年は774人にまで減少した.しかし,休業4日以上の死傷者数は,1973年の387,342人から減少していたものの,2009年の105,718人を境に増加に転じ,2022年は132,355人に達した1).特に,転倒による労働災害の増加が顕著であり,2009年の23,002人から,2022年には35,295人へと53%増加し,休業4日以上の死傷災害全体の27%を占めていた.この数字は,新型コロナウイルス感染症のり患による労働災害を除いた,休業4日以上の死傷災害の中で最も多い2).転倒災害は,骨折などの重大な怪我につながるリスクも高く,平均休業日数も47日3)と長期に及ぶため,特に対策が必要な労働災害の一つである.
このような転倒災害の増加を受けて,厚生労働省は2020年3月に高齢者労働災害防止対策に関するエイジフレンドリーガイドライン4)を公表した.その後も,2021年9月は小売業,社会福祉施設の事業者団体へ転倒防止などの積極的な労働災害防止への協力の要請5)を行い,2022年に転倒防止・腰痛予防対策の在り方に関する検討会6)を開催するなど,転倒防止・腰痛予防対策の推進に向けた様々な取り組みが行われている.さらに,2023年5月には第14次労働災害防止計画7)が公表され,「理学療法士等を活用した事業場における労働者の身体機能の維持改善の取組を支援する」という方針が打ち出された.
以上のように人生100年時代と称される現代において,誰もが安心して健康で安全に働ける社会が求められている中,転倒による労働災害が大きな問題となっており,理学療法士の専門性を活かした転倒災害対策の実施が期待されている.しかし,実際に産業保健分野での理学療法士の活用は限定的であり,転倒災害対策の実施報告も十分ではない8).そのため,本調査では理学療法士を対象に,所属施設における転倒災害の発生状況および安全衛生対策の実施状況の把握実態を調査することを目的とした.
公益社団法人日本理学療法士協会に,所属している施設の代表者として登録されている理学療法士15,185名へアンケートフォームQuestant(株式会社マクロミル,東京)を用いて作成したアンケートをメールにて送付した.回答は任意であり,個人が特定されることはなく,調査に協力しなくても不利益がないこと,回答データは個人情報保護方針に則り,適切に管理することを記載した説明文を提示し,アンケートへの回答をもって研究参加に同意したものとみなした.
2.調査期間回答期間は2020年11月4日〜12月25日までの52日間とした.
3.アンケート内容(表1)質問項目は以下の14項目であり,回答の内容によって,最小質問数13問,最大質問数20問とした.
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1.基本情報 1) 職種について ①理学療法士 ②その他 2) 性別 ①男性 ②女性 ③答えたくない 3) 年代 ①20代 ②30代 ③40代 ④50代 ⑤60代 ⑥70代以上 4) 経験年数 ①1年未満 ②1年以上3年未満 ③3年以上5年未満 ④5年以上10年未満 ⑤10年以上20年未満 ⑥20年以上30年未満 ⑦30年以上 5) 職位 ①管理職 ②一般 6) ご所属施設について ①病院 ②老人福祉・介護事業 ③訪問介護事業 ④クリニック ⑤その他 7) 所在地 ①北海道 ②東北 ③関東 ④中部 ⑤近畿 ⑥中国 ⑦四国 ⑧九州 8) 貴施設の従業員規模 ①10人未満 ②10人以上~50人未満 ③50人以上~200人以下 ④201人以上~500人以下 ⑤501人以上 ⑥わからない 2.所属施設職員の労働災害発生状況 1) 貴施設についてお伺いします.分かる範囲でお答えください.2019年度(2019年4月1日~2020年3月31日)貴施設において,職員の労働災害は発生しましたか?(職員は理学療法士,看護師,医師,事務職員などを含みます.労働災害とは,労働者が通勤を含む労働に関連する場で事故にあったり疾病にかかること.本項では4日以上の休業者の発生) ①はい ②いいえ ③わからない 2) 2019年度(2019年4月1日~2020年3月31日)貴施設において,職員の転倒災害(休業4日以上)は発生しましたか?通勤途中も含みます ①はい ②いいえ ③わからない (はいの場合) 2-1) 2019年度(2019年4月1日~2020年3月31日)貴施設の職員における休業4日以上の転倒災害は何件発生しましたか ①1件 ②2件 ③3件 ④4件 ⑤5件以上 ⑥わからない 2-2) 転倒災害の発生場所(複数回答可) ①屋内(廊下・玄関・厨房・食堂を除く) ②廊下 ③厨房・食堂 ④階段・玄関等 ⑤屋外(通勤中も含む) ⑥駐車場 ⑦わからない 2-3) 転倒災害の発生時間帯(複数回答可) ①深夜帯 ②午前 ③午後 ④通勤 ⑤わからない 2-4) 転倒災害の要因について(複数回答可) ①固定物によるつまずき ②滑りやすい床など ③急ぎ,小走り時の転倒 ④移動可能なものによるつまずき ⑤清掃時における転倒 ⑥雨・雪の影響による転倒 ⑦わからない 3.所属施設職員の転倒災害対策実施状況 1) 貴施設において,職員の転倒災害対策は実施されていますか? ①はい ②いいえ ③わからない (はいの場合) 1-1) 貴施設の職員の転倒対策として実施しているものを選んでください(複数回答可) ①通路,階段,出口に物を放置していない ②床の水たまりや氷,油,粉類などは放置せず,その都度取り除いている ③安全に移動できるように十分な明るさ(照度)が確保されている ④転倒を予防するための教育を行っている ⑤作業靴は,作業現場に合った耐滑性があり,かつちょうど良いサイズのものを選んでいる ⑥ヒヤリハット情報を活用して,転倒しやすい場所の危険マップを作成し,周知している ⑦段差のある箇所や滑りやすい場所などに注意を促す標識をつけている ⑧ポケットに手を入れたまま歩くことを禁止している ⑨ストレッチ体操や転倒予防のための運動を取り入れている ⑩その他(自由記載) 4.回答者自身の安全衛生対策への関わり,関心について 1) あなたは,今後,安全衛生対策に関わりたいですか? ①はい ②いいえ (はいの場合) 1-1) 職場の安全衛生対策で関わりたいものはどれですか(複数回答可) ①腰痛 ②転倒 ③メンタルヘルス ④生活習慣病 ⑤エイジフレンドリー(高齢労働者対策) ⑥治療と仕事の両立支援 ⑦その他(自由記載) 1-2) あなたは,現在,職場の安全衛生対策に関わることができていますか ①はい ②いいえ (いいえの場合) 1-3) 理由を教えてください(複数回答可) ①忙しいから ②やり方がわからない ③業務として認められていないから ④必要とされていないから ⑤職場内の相談すべき部署が分からないから ⑥その他(自由記載) |
性別,年代,経験年数,職位,所属施設種類,所在地,所属施設従業員規模
2)所属施設職員の労働災害発生状況2019年度の労働災害の有無,2019年度の休業4日以上の転倒災害発生状況
3)所属施設職員への転倒災害対策実施の把握状況転倒災害対策実施の有無,実施している転倒災害対策の内容
4)回答者自身の安全衛生対策への関わり,関心について今後安全衛生対策に関わりたいか(関わりたい内容,現状関われているか,関われていない理由)
4.統計解析上記アンケートで得られた回答に対して,記述統計的分析を行った.
5.倫理審査本調査は大阪急性期・総合医療センター研究倫理委員会(承認番号2020-072)の承認のもと実施した.
アンケートの有効回答者数は937名(6.2%)であった.
1.基本情報(表2)
| 項目 | 回答者数(名) | % | ||
|---|---|---|---|---|
| 回答者情報 | 年代 | 20代 | 26 | 2.8 |
| 30代 | 225 | 24.0 | ||
| 40代 | 363 | 38.7 | ||
| 50代 | 284 | 30.3 | ||
| 60代 | 34 | 3.6 | ||
| 70代以上 | 5 | 0.5 | ||
| 経験年数 | 5年未満 | 21 | 2.2 | |
| 5年以上10年未満 | 72 | 7.7 | ||
| 10年以上20年未満 | 380 | 40.6 | ||
| 20年以上30年未満 | 272 | 29.0 | ||
| 30年以上 | 192 | 20.5 | ||
| 職位 | 管理職 | 633 | 67.6 | |
| 一般職 | 304 | 32.4 | ||
| 所属施設 | 業種 | 病院 | 452 | 48.2 |
| 老人福祉・介護施設 | 216 | 23.1 | ||
| クリニック | 116 | 12.4 | ||
| 訪問介護事業 | 65 | 6.9 | ||
| 養成校 | 58 | 6.2 | ||
| その他 | 30 | 3.2 | ||
| 従業員規模 | 50人未満 | 296 | 31.6 | |
| 50人以上200人以下 | 311 | 33.2 | ||
| 201人以上500人以下 | 181 | 19.3 | ||
| 501人以上 | 146 | 15.6 | ||
| 分からない | 3 | 0.3 | ||
| 所在地 | 北海道 | 59 | 6.3 | |
| 東北 | 74 | 7.9 | ||
| 関東 | 250 | 26.7 | ||
| 中部 | 144 | 15.4 | ||
| 近畿 | 165 | 17.6 | ||
| 中国 | 68 | 7.3 | ||
| 四国 | 38 | 4.1 | ||
| 九州 | 139 | 14.8 | ||
30代〜50代で10年目以降の回答者が多く,約70%が管理職であった.
2)所属施設について所属施設の業種は医療福祉業が90%と最も多かった.従業員規模は50人未満から501人以上の施設まで様々な規模の施設から回答が得られた.
2.所属施設での労働災害発生状況 1)2019年度の所属施設における労働災害発生有無(図1)労働災害発生の有無を合わせて80%の回答者が把握していた.

転倒災害発生の有無を合わせて77%の回答者が把握していた.

転倒災害が発生したと回答した111名のうち,61名(55%)が発生場所,発生時間帯,発生要因の全ての項目において詳細な内容を把握していた.発生件数などの詳細は表3のとおりであった.
| 項目 | 回答者数(名) | |
|---|---|---|
| 発生件数 | 1件 | 43 |
| 2件 | 11 | |
| 3件 | 8 | |
| 4件 | 0 | |
| 5件以上 | 5 | |
| 分からない | 44 | |
| 発生場所 | 屋外 | 44 |
| 屋内 | 40 | |
| 階段・玄関など | 25 | |
| 廊下 | 24 | |
| 駐車場 | 6 | |
| 厨房・食堂 | 2 | |
| 分からない | 15 | |
| 発生時間帯 | 午前 | 38 |
| 午後 | 33 | |
| 深夜帯 | 7 | |
| 通勤 | 23 | |
| 分からない | 37 | |
| 発生要因 | 急ぎ,小走り時の転倒 | 45 |
| 滑りやすい床など | 24 | |
| 固定物によるつまずき | 23 | |
| 雨,雪の影響による転倒 | 16 | |
| 移動可能なものによるつまずき | 14 | |
| 清掃時における転倒 | 7 | |
| 分からない | 33 | |
| 表1のアンケートにおいて,所属施設で転倒災害があったと回答した111名が回答 | ||
所属施設で職員に対する転倒災害対策が実施されていると回答した者は144名(15%)のみであった.

転倒災害対策が実施されていると回答した144名の所属施設で,実際に実施されている内容としては,通路などに物を放置していない,床の水たまりなどを都度取り除いている,十分な明るさが確保されているといった,転倒災害対策として推奨されている4S活動9)に関するものが多かった.

表1のアンケートにおいて,所属施設で職員の転倒災害対策を実施していると回答した144名が回答
回答者の74%が今後安全衛生対策に関わりたいと回答した(図5).関わりたいと考える内容は腰痛,メンタルヘルス,転倒予防など多岐にわたっていた(図6).


表1のアンケートにおいて,今後安全衛生対策に関わりたいと回答した691名が回答
一方,安全衛生対策に関わりたい者のうち,47%と約半数が現在安全衛生対策に関われていないと回答した(図7).理由としては,業務として認められていない,必要とされていない,やり方が分からないが多かった.(図8)

表1のアンケートにおいて,今後安全衛生対策に関わりたいと回答した691名が回答

表1のアンケートにおいて,現在,職場の安全衛生対策に関わることができていないと回答した325名が回答
本調査は本邦において急増している転倒災害の発生状況と対策の実施状況を理学療法士がどの程度把握しているのかを調査することを目的として実施した.その結果,所属施設での労働災害は80%,転倒災害に関しては77%が発生有無を把握していた.さらに発生状況についても,転倒災害が発生したと回答した111名のうち,55%の理学療法士が発生場所や発生時間帯,発生要因などの詳細な内容まで把握していた.以上のことから,管理職の立場にある多くの理学療法士が所属施設の労働災害に関して把握できる立場にあり,他の職員と共同してその対策を担うことができる可能性があることが推察された.一方で,転倒災害対策の実施状況について,所属施設職員に対する転倒災害対策の実施状況を把握している者は144名(15%)と少数であることが明らかとなった.そんな中,先駆的に取り組みを実施している施設では,「整理・整頓・清掃・清潔」の4S活動に関する回答が多く得られた.4S活動は厚生労働省も転倒災害防止のために推奨している活動である9).実際,社会福祉施設における転倒災害は歩行・移動中の滑りおよびつまずきによるものが多く,それぞれ床面の水濡れや障害物が起因物となっていることが多い10)ことから,転倒災害対策の有効な手段であると考えられる.また,内容は個人の活動からでも簡単に始められるものであるため,どの施設においても始めやすい安全衛生活動の一つである.
続いて,回答者自身の安全衛生対策への関心について,74%と多くの回答者が今後安全衛生対策に関わりたいと回答した.日本産業理学療法研究会の会員数も発足当初の230名から年々増加し,現在は647名となっている11)ことから,産業保健に対する理学療法士の関心が増加していることがうかがえる.一方,安全衛生対策に関心を持つ回答者の約半数が,現状は安全衛生対策に関われていないことも明らかとなった.関われていない理由としては,業務として認められていない,必要とされていない,やり方がわからないというものが多かった.理学療法士の専門性を最も活かすことができるのは転倒や腰痛といった行動災害の予防だと考えられるが,これらは日常生活の中でも発生し,重篤な災害ではないという認識の広がりから,事業者・労働者ともに,職場の問題として対策に取り組む必要性の認識が低い傾向にある12).医療機関で実際に行われている産業保健活動に関する取り組みとしては,労務管理・過重労働対策・働き方改革が最も多く(35.7%),次いでメンタルヘルス対策関連(21.0%),労働安全衛生管理体制強化・見直し(19.3%)となっており,転倒や腰痛に関連する筋骨格系(人間工学)対策はわずか2.3%であったとも報告されている13).そのため,理学療法士は通常,患者・利用者の対応業務のみを求められ,所属施設職員に対する安全衛生対策は業務として求められることが少ないのだと考えられる.さらに,理学療法士が安全衛生対策に関わる事例が一般的ではなく,卒後教育も充実していないことから,知識を得る機会が少なく,やり方も分からないのだと推察される.
これらのことから,今後産業理学療法の普及を目指す上で,まずは理学療法士による転倒や腰痛予防対策の有効性を事業者や関連職種に理解してもらうことが重要である.そのために,エビデンスや活動事例を提示し,転倒や腰痛予防対策の効果を可視化して示すことが重要であると考える.具体的な取り組みとしては,4S活動のような自部署,所属施設内でできるものからはじめ,その成果を示していくことが重要ではないだろうか.このような活動から始め,他部署に対する運動指導や転倒予防に関する教育活動も行っていくことで,他職種の行動災害対策への関心が生まれ,需要に繋がるのではないかと考える.さらに,その内容を関連学会や日本産業理学療法研究会の取り組みの一つであるさんさんファーム14)などで報告することで,理学療法士による安全衛生活動の実施が広まっていくのではないかと考える.
本調査にはいくつか限界がある.1つ目は,アンケートの回答率が6.2%と低く,必ずしも理学療法士が所属する施設全体の結果を反映しているわけではない点である.2つ目は,所属施設の所在地に偏りがあった点である.回答者数の少ない地域は現状を必ずしも反映していない可能性がある.3つ目は,安全衛生活動に対する関心が強いからこそ本アンケートに回答した回答者が多かった可能性が考えられる点である.回答者数が少なかったこと,所在地に偏りがあったことも踏まえると,安全衛生活動に関心を持つ理学療法士の割合を理学療法士全体に反映することはできない.4つ目は回答者の約70%が管理職であることである.管理職であるが故に所属施設の転倒災害発生件数やその対策に対して情報を得やすい状況にあった可能性があり,管理職以外の職位の理学療法士にまで本調査結果を反映することはできない.5つ目は回答者の認識が必ずしも事実を反映しているとは限らない点である.我々が各施設の実際の転倒災害件数やその対策の有無に関して把握できないため,回答者が把握している内容の正確性は確認できない.しかし,これまでに理学療法士の所属施設の安全衛生対策への関わりについて調査したものはなく,今後理学療法士の安全衛生対策への参画を促していくための現状調査として本調査は有意義であったと考える.
管理職の立場にある多くの理学療法士が所属施設の転倒災害に関する情報を得ることができる状況であり,予防対策への関心もあるものの,実際に携わっている理学療法士はわずかであることが明らかとなった.予防対策実施のために4S活動などの取り組みやすい活動から実施していくことの有用性が示唆された.
開示すべき利益相反はない.
本アンケートの回答にご協力くださいました日本理学療法士協会の会員の皆様,ならびにアンケート作成および配布にご尽力くださいました日本理学療法士協会学会事務課の皆様に心より感謝申し上げます.