日本小児呼吸器疾患学会雑誌
Online ISSN : 2185-3754
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呼吸器感染に続発した閉塞性細気管支炎と思われる1小児例
井上 壽茂福田 優子高松 勇亀田 誠吉田 之範土居 悟豊島 協一郎
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2001 年 12 巻 1 号 p. 31-34

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抄録
乳児期から喘鳴, 呼吸困難発作を反復し, 気管支喘息として治療を受けていた7歳男児を臨床経過, 呼吸機能検査, 胸部画像診断結果から, 臨床的に呼吸器感染後の閉塞性細気管支炎と診断した。聴診上の限局性呼気性高調性肺雑音, 末梢気道閉塞性呼吸機能障害, 気管支拡張薬に対する反応性の欠如などから気管支喘息の診断に疑いを持ち, HRCTを施行したところ, 肺血流の不均等分布を示すいわゆるモザイク灌流を認めた。胸部画像診断技術の向上に伴い, 肺生検や気管支造影などの侵襲的検査を施行することなく, 閉塞性細気管支炎の診断が可能となってきたことにより, 今後喘息様疾患の鑑別疾患として念頭に置く必要があると考え報告した。
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