日本小児呼吸器疾患学会雑誌
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呼吸理学療法により抜管できた, 急性呼吸不全を呈したDuchenne型筋ジストロフィーの1例
長門 五城三浦 利彦石川 悠加石川 幸辰南 良二
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2001 年 12 巻 1 号 p. 24-30

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抄録
chenne型筋ジストロフィーで自宅療養中の患者 (19歳) が麻痺性イレウス, 急性胃拡張による換気障害を起こし, SpO2低下のためO2投与された結果, CO2ナルコーシスに陥り気管内挿管された。一度は抜管困難と判断されたが, 本人・家族が気管切開を拒否した。そこで, 抜管して非侵襲的間欠的陽圧人工呼吸 (Noninvasive IPPV) へ移行するために, 600l/min以上の呼気流速が可能なMechanical Insufflation-Exsufflation (MI-E) を用いた機械的排痰介助を, 挿管チューブを通して行った。結果として肺胞換気を維持することができ, 抜管が可能となった。特に抜管前・抜管直後は頻回の排痰を必要としたが, MI-Eと体位・徒手排痰の併用は効果的であった。抜管後は早急な咳嗽力の回復が必要であったが, 救急蘇生用バッグを用いて息溜め (Air stackint) をする深吸気訓練を行うことで, 咳嗽力の回復は可能となった。訓練効果の判断は, 肺活量計での肺活量 (VC), 最大強制吸気量 (MIC), ピークフローメーターでの最大呼気流速 (PCF) の評価が有用であった。
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