日本小児呼吸器疾患学会雑誌
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小児期気管支喘息患児における肺炎マイコプラズマ感染症
永山 洋子椿 俊和鳥羽 剛
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2001 年 12 巻 1 号 p. 7-17

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抄録
乳児期から小児期にかけての喘息患児及び非喘息患児において肺炎マイコプラズマの臨床像を検討した。喘息患児においては一旦上昇した肺炎マイコプラズマの特異抗体 (passive agglutinin) は0レベルには下がらなかった。これは喘息患児におけるMpの持続感染を疑わせた。3歳以下では多くの喘息患児が喘鳴を生じたが, 喘鳴の合併頻度は年長喘息患児では半分にとどまった。非喘息患児では喘鳴は主に乳児期に限られた。末梢血好酸球に関しては, 乳幼児では急性期喘鳴はあったが, 好酸球増加は観察されず, 喘息患児と喘鳴のない非喘息の年長児に好酸球増加が観察された。好酸球増加は再感染で誘導されやすく, 軽症化あるいは重症の方向へと修飾する可能性を示唆していた。Mp感染における好酸球の二面的な役割はさらなる検討が必要である。
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