日本小児呼吸器疾患学会雑誌
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BCG再接種廃止, 学校健診廃止に際して-小児結核対策転換期の課題
高松 勇
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2002 年 13 巻 2 号 p. 115-130

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抄録
結核予防法を含めた結核対策の包括的な見直しが提言され, 小児科領域では2003年度からBCG再接種の廃止, 学校健診の廃止が実施される。また, BCG接種は乳児への単回接種が基本となり, 原則とて生後6カ月までの直接接種法 (BCG接種前のツベルクリン反応を省略) が導入され, 1歳6カ月健診, 3歳児健診で接種状況と接種技術の評価が行われる予定である。まさに小児結核対策は転換点にある。改正の基本理念は, 従来から実施されてきた集団的一律的対応の効率が悪く, ハイリスク・デインジャー層を重視した個別的重点的な対応で効率的対策に転換することである。積極的疫学調査 (接触者健診) の充実, 強化, 感染小児に対する化学予防の徹底, 医療の質の向上, 有症状受診の呼びかけ, 小児結核サーベイランス体制の強化等が求められ, そのための対策の改善が課題である。
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