日本小児呼吸器疾患学会雑誌
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非定型肺炎へのアプローチ
尾内 一信
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キーワード: 小児, 非定型肺炎
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2003 年 14 巻 2 号 p. 189-193

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抄録
非定型肺炎の起因微生物としては, 種々のウイルス, Mycoplasma pneumoniae, Chlamydia pneumoniae, Legionella spp., Coxiella burnettiなどが知られている。ウイルス以外の原因では, M.pneumoniaeC.pneumoniaeが成人同様小児においても重要である。他の2菌種は, 小児においてはその重要性や浸淫度は本邦ばかりでなく世界的にもまだ未解決で不明なところが多い。
今までの欧米や日本の報告を検討してみると, 両菌が肺炎の原因となる割合はM.pneumoniaeが2-30%, C.pneumoniaeが2~28%である。これらの割合に影響を与えるファクターは, 年齢, 流行, 重症度, 検査法, 診断基準などである。特に診断法の違いによる頻度のばらつきが見られる。今後小児肺炎診療ガイドラインを作成するに当たり, これらのファクターを考慮に入れた解析が必要とされている。
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