日本小児呼吸器疾患学会雑誌
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小児呼吸器領域における適応外医薬品ならびに医療機器に関する研究
井上 壽茂
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2008 年 19 巻 1 号 p. 91

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抄録
日本小児呼吸器疾患学会薬事委員会, ならびに将来構想委員会での検討を通じ, 以下の検討を行った。特発性間質性肺炎治療薬として有用性が報告され個人使用されているマラリア治療薬であるヒドロキシクロロキンは欧米でも適応取得されていないが, 免疫調節薬として自己免疫疾患に対し用いられているため, 適応外であるとの認識は乏しい。わが国で更に知見を蓄積するため前方視的検討開始の準備をはじめた。嚥下機能検査や気管支造影検査に用いられている低浸透圧性非イオン性ヨード系造影剤について情報収集を行い, 欧米で一部適応取得のある薬剤の存在が確認された。本年度より新たに嚢胞性線維症(cystic fibrosis)に対する喀痰排泄促進のための吸入薬であるrhDNase(Dornase alfa)について検討を開始した。保険制度との関係で費用が嵩み困っているディスポーザブル製品や医療機器について問題点を模索した。呼吸器疾患に対し特異的に行われている吸入療法で用いるネブライザー吸入器や吸入補助スペーサー, 呼吸訓練や排痰補助器具, あるいは在宅人工呼吸療法にともなう備品やモニター等の周辺機器がリストアップされた。
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