抄録
9歳女児。発然, 咳嗽を主訴に近医受診, 胸部単純X線写真で右上縦隔及び右肺門部に腫瘤状陰影を指摘され紹介入院。不明熱発症の8歳時に血液検査で慢性活動性EBウイルス感染症を疑われた。入院時, 顔面の紅斑と肝脾腫を認め, 血液検査では慢性活動性EBウイルス感染症を指摘しえた。胸部CT・MRIでは右上・中・後縦隔に腫瘤性病変がみられた。気管支ファイバースコピーでは気管, 右主気管支, 右中間気管支幹が壁外性に圧迫され扁平化していた。気管支肺胞洗浄液細胞診や気管支粘膜生検で悪性細胞はみられなかった。右鎖骨上リンパ節生検でHodgkin病 (結節硬化型) が強く示唆された。患児は末梢血EBウイルス抗体価の異常高値が発症前から指摘されておりEBウイルスの関与が推測された。胸郭内腫瘍性病変の診断には, 経気管支鏡的検査は侵襲が比較的少なく小児呼吸器疾患領域においても考慮すべき診断方法の一つであると考えられた。