論文ID: 1404oa
本研究では,パフォーマンスモニタリングに及ぼす罰の効果を検討した。実験参加者は,罰条件と無罰条件下で空間ストループ課題を遂行した。罰条件では,エラー反応の1秒後に不快音(爪による黒板の擦過音,90 dB)が提示された。ERNとPeについて条件間で比較を行った。さらに報酬や罰への反応性をBIS/BAS尺度で測定し,行動指標,ERN振幅値,Pe振幅値との相関関係を調べた。その結果,ERNは条件間で差がなかったものの,Pe振幅値は罰条件で大きかった。さらに,BAS得点とPe振幅値との間には中程度の負の相関関係が認められ,BAS得点の高い者ほどPe振幅値は低下した。本研究の結果は,罰として不快音を随伴させるとエラーに対する気づきが高まることを示唆しており,Peがエラー評価を反映した成分であるという考えを支持したものである。