論文ID: 2315br
隠匿情報検査では,事件に関連する項目と関連しない項目に対する反応の違いから,関連項目を知っているか否かを推定する。先行研究では,関連項目に対して非関連項目よりも鼻尖部の血流量が低下することを示した。本研究では,この知見が鼻尖部の容積脈波でも再現できるのかを調べた。また,関連項目を隠蔽しようとする意図が鼻尖部の容積脈波に与える影響についても評価した。鼻尖部の脈波振幅は,関連項目に対して非関連項目よりも小さくなった。この現象は,参加者が関連項目を隠していないときにはみられなかった。本研究から,隠匿情報検査では関連項目に対して非関連項目よりも鼻尖部の血液量が低下するが,これは隠蔽意図があるときのみに生じることが示唆された。