生理心理学と精神生理学
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支援的他者の存在が心臓血管反応に与える影響
長野 祐一郎児玉 昌久
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2005 年 23 巻 3 号 p. 197-205

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抄録
支援的他者の存在が, 血行動態に与える影響が28名の男子大学生を用い検討された.被験者は, サポート群と非サポート群に分けられ, 暗算課題を行った.サポート群の被験者は親しい友人を同伴し, 友人と一緒に課題を行った.評価的側面を最小化するため, 友人はヘッドフォンで音楽を聴きながら自分の課題 (クロスワードパズル) を行った.心拍数, 血圧, インピーダンスカーディオグラフィ, 感情反応が記録された.非サポート群に比べサポート群の被験者は, 拡張期血圧においてのみ, 反応性の減少を示した.両群の血行動態の間に, 明確な差は認められなかった.否定的感情に関しては, 両群に差は見られなかったが, 肯定的感情に関しては両群に明確な差が認められた.対人的なサポートは, 認知的なプロセスを通じて心臓血管反応を軽減するものと思われる.ストレスバッファプロセスにおける肯定的感情の役割の重要性が特に強調された.
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© 日本生理心理学会
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