生理心理学と精神生理学
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呼吸セルフコントロールがストレス刺激に対する生理心理反応性に及ぼす効果
寺井 堅祐竹内 裕美梅沢 章男
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2005 年 23 巻 3 号 p. 207-215

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抄録
呼吸セルフコントロールがストレス刺激にともなう心臓血管系および心理的反応性を緩和しうるかどうかを検討するため, 29名の男女被験者が実験群 (n=13) と統制群 (n=16) に振り分けられた.すべての被験者が暗算, 寒冷昇圧それぞれ3試行から構成されたストレス課題を経験した.実験群の被験者は, ストレス課題の第1試行では呼吸のセルフコントロールを行なわず, 第2, 3試行において分時換気量を安静レベルに制御することを求められた.呼吸セルフコントロールの手がかりとして, サイクルごとの分時換気量をフィードバックした.実験を通して, 心電図, 血圧, 呼吸流量を測定した.実験群はストレスにともなう分時換気量増加を抑制することに成功した.実験群は統制群に比べ呼吸数が少なく, 1回換気量が大きく, 呼気終末炭酸ガス分圧が高いという結果を得た.加えて, 実験群は統制群に比べて心拍数増加が小さく抑えられる傾向を認めた (p <.08).しかし血圧, 気分評定値に関して, 実験群と統制群との問に統計的な差異を認めなかった.以上の結果は, 呼吸セルフコントロールが, ストレスによる心臓迷走神経活動の抑制を緩和させる効果があることを示唆している.
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© 日本生理心理学会
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