生理心理学と精神生理学
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振動プローブ刺激に対するP300を指標とした視聴覚体験に対する注意配分の検討
重光 ゆみ入戸野 宏堀 忠雄
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2007 年 25 巻 3 号 p. 277-285

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抄録

本研究では, 映像視聴に対する注意の配分量を振動プローブ刺激に対する事象関連電位によって評価できるかを検討した。12人の大学生・大学院生が, 音声なしの映像 (動画のみ条件) または音声つきの映像 (動画+音声条件) を見ながら, 体性感覚刺激を用いた標的検出課題を行った。右手または左手の中指 (p=.70, 標準刺激), 小指 (p=.15, 標的刺激), 母指 (p=.15, 非標的刺激) を振動モーターで刺激し, 標的刺激に対して反対の手でボタン押しをさせた。標的刺激と非標的刺激に対してP300が生じたが, その振幅は静止画を見ているとき (静止画条件) よりも動画を見ているときに低下した。非標的P300は, 動画に音声を付加することによってさらに振幅が低下した。体性感覚プローブ刺激に対する事象関連電位が, 視聴覚体験に対する注意配分量の客観的な指標となる可能性が示された。

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© 日本生理心理学会
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