2023 年 1 巻 1 号 p. 18-27
【目的】痙直型脳性麻痺患者に対する座位バランスの評価として,座位Index of Postural Stability(IPS)の検者間信頼性と構成概念妥当性を検証することを目的とした。
【方法】横断研究として実施し,対象者は痙直型脳性麻痺患者29名(GMFCSレベルⅠ4名,Ⅱ4名,Ⅲ10名,Ⅳ11名)とした。測定項目は座位IPSとTrunk Impairment Scale(TIS),Pediatric Evaluation of Disability Inventory(PEDI)の移動とセルフケア領域とした。
【結果】座位IPS の検者間信頼性はICC(2.1)=0.92(95%信頼区間:0.75〜0.98),最小可検変化量は0.46だった。TISとの相関係数は,動的座位バランス,協調動作,合計点に有意な相関関係があり,順に0.62,0.57,0.57だった。PEDIとの相関係数は機能的尺度,介助者による援助の順に移動では0.55,0.46,セルフケアでは0.54,0.51と,有意な相関関係があった。
【結論】痙直型脳性麻痺患者おける重心動揺計を用いた座位バランスの評価として,座位IPSは良好な検者間信頼性があり,構成概念妥当性が支持された。