宗教/スピリチュアリティ心理学研究
Online ISSN : 2758-1004
意味志向教育における大きな問いの探究と本来感や学習観の関連: 潜在変化得点モデルによる予備的検討
村上 祐介
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2025 年 3 巻 1 号 p. 16-26

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抄録
本研究の目的は,大学の意味志向教育を通じて大きな問いを探究した程度と,本来感や学習観との関連を明らかにすることであった。統制群を設定しない介入デザインで,授業前後(Time 1: T1; Time 2: T2)の2時点でデータ収集が行われた。研究1では,228名(女性129名,男性99名;平均年齢18.51歳,SD = 0.94)を,研究2では173名(女性117名,男性56名;平均年齢19.08歳,SD = 1.02)を分析対象とした。潜在変化得点モデルによる分析の結果,当該授業での大きな問いの探究は,学習観の自律的学習観および人としての成長の向上とは研究1のみ有意な正の関連を示したが,本来感の変化とは有意な関連を示さなかった。これらの結果は,意味志向教育が一部の大学生の学習観を変容させることを示唆するものである。
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© 2025 本論文著者
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