宗教/スピリチュアリティ心理学研究
Online ISSN : 2758-1004
最新号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 島井 哲志, 浦田 悠
    2025 年 3 巻 1 号 p. 1-15
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/03/31
    ジャーナル フリー
    本論文は,近年国際的に広がりを見せている「生きがい」という用語の背景にある,神谷美恵子の生きがい観を検討するものである。神谷の内容の検討から,彼女は生きがいを日本独自の概念として提案したのではなく,西洋の思想や研究を参照していたことが明らかになった。隔離されていた療養所でのハンセン病患者の人生を分析する中で,神谷は生きがいが人間の重要な機能であり,困難な状況においても全ての人間に共通する「人生の意味」を示すものであると提唱した。しかし,その後の「生きがい」というタイトルの研究をレビューしたところ,神谷の研究が引用されることが徐々に減少し,生きがいが日本独自の概念として主張されることが増え,中には神谷の業績として誤って引用されることもあることが判明した。神谷の生きがい観を詳細に追跡すると,彼女の研究は「人生の意味」に関するポジティブ心理学の先駆的な研究であり,近年発展してきた多くの研究テーマが彼女によっても言及されていることがわかる。したがって,「人生の意味」をテーマとする日本の生きがい研究のさらなる発展と情報発信は,将来的にポジティブ心理学およびその応用分野に大きく貢献する可能性があると考えられる。
  • 村上 祐介
    2025 年 3 巻 1 号 p. 16-26
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/03/31
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,大学の意味志向教育を通じて大きな問いを探究した程度と,本来感や学習観との関連を明らかにすることであった。統制群を設定しない介入デザインで,授業前後(Time 1: T1; Time 2: T2)の2時点でデータ収集が行われた。研究1では,228名(女性129名,男性99名;平均年齢18.51歳,SD = 0.94)を,研究2では173名(女性117名,男性56名;平均年齢19.08歳,SD = 1.02)を分析対象とした。潜在変化得点モデルによる分析の結果,当該授業での大きな問いの探究は,学習観の自律的学習観および人としての成長の向上とは研究1のみ有意な正の関連を示したが,本来感の変化とは有意な関連を示さなかった。これらの結果は,意味志向教育が一部の大学生の学習観を変容させることを示唆するものである。
  • 2025 年 3 巻 1 号 p. 28
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/03/31
    ジャーナル フリー
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