日本補綴歯科学会雑誌
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認定医症例報告
ピエゾグラフィを用いた全部床義歯の1症例
荒木 基之
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2008 年 52 巻 2 号 p. 220-223

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抄録

症例の概要 : 患者は69歳の男性無歯顎者であり, 下顎全部床義歯の度重なる破折を主訴に来院した. 義歯床の剛性の向上および義歯床研磨面形態と人工歯排列位置の改善を目的に下顎全部床義歯を製作した.
考察 : 下顎全部床義歯の度重なる破折は, 正中部の厚みが薄く, 補強線もなく, 咬合力が強いために起こったと思われた. その対策として新義歯では, ピエゾグラフィを応用することで, 補綴学的空間内に鋳造補強構造を含む, すべての構成要素を設定することが可能と考えた.
結論 : 本症例においては, ピエゾグラフィを応用することで, 機能時における義歯の安定を阻害することなく, 剛性の高い下顎全部床義歯を製作することが可能となった.

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© 2008 社団法人日本補綴歯科学会
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