日本補綴歯科学会雑誌
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原著論文
オーバーデンチャー装着者におけるカンジダの分布とミコナゾールゲル剤の効果
吉嶋 佑佳市川 哲雄
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2008 年 52 巻 2 号 p. 99-106

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抄録

目的 : 本研究は, オーバーデンチャー装着者を被験者とし, 口腔内のカンジダに対する抗真菌剤ミコナゾールゲル剤の有用性について検討した.
方法 : 徳島大学病院通院患者でオーバーデンチャー装着者を被験者とし, 被験者をA群 (抗真菌剤ミコナゾールゲル剤 (フロリードゲル®, 持田製薬) を1回0.5g (ミコナゾール10mg) 程度, 1日4回 (毎食後, 就寝時), 1週間使用) とB群 (抗真菌剤ミコナゾールゲル剤を1回1.5g (ミコナゾール30mg) 程度, 1日4回 (毎食後, 就寝時), 1週間使用) に分けて調査を行い, ミコナゾールゲル剤の使用による義歯床内面, 義歯床下の歯, 咽頭後壁粘膜のカンジダの菌数の変化を調べ, 口腔内のカンジダに対する抗真菌剤ミコナゾールゲル剤の有用性について検討した.
結果 : ミコナゾールゲル剤の使用により義歯床内面, 義歯床下の歯, 咽頭後壁粘膜のすべての部位においてカンジダの菌数が減少し, 他の口腔内細菌叢に対する影響や副作用はほとんど認められず, その有用性が示された.
結論 : ミコナゾールゲル剤は義歯床下のカンジダに対して有効かつ安全性の高い方法であると考えられる.

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© 2008 社団法人日本補綴歯科学会
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