日本補綴歯科学会雑誌
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認定医症例報告
変形性顎関節症に併発した臼歯部開咬による咀嚼障害を接着アンレーにより改善した症例
水口 一
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2008 年 52 巻 4 号 p. 574-577

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抄録

症例の概要 : 患者は初診時50歳の女性で, 起床時の左側顎関節部疼痛, 開口障害を訴え本院を受診した. 画像診査ならびに臨床診査より両側変形性顎関節症と診断した. スタビリゼーションアプライアンスにて均等な咬合接触を付与し症状の緩解を得たが, 左側臼歯部の咬合接触が消失し咀嚼障害を訴えた. 右側臼歯部の削合ならびに暫間接着アンレーを装着し経過観察を行った後, ポーセレンアンレーを装着し左側臼歯部の咬合接触を回復した.
考察 : 6年後に経過観察を行ったが, 顎関節症症状の再発, 歯科補綴装置の破損, 咬合関係の変化は認められなかった.
結論 : 補綴学的処置により変形性顎関節症による臼歯部開咬の治療のみならずQOL向上に貢献できた.

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© 2008 社団法人日本補綴歯科学会
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