日本補綴歯科学会雑誌
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スクリュー装着トルク値の違いがIMZインプラントの動揺特性に及ぼす影響
仲西 健樹龍田 光弘松谷 善雄松島 諒上田 直克更谷 啓治川添 堯彬
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2002 年 46 巻 2 号 p. 270-276

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抄録

目的: 上部構造をスクリューで装着する際の締め付けトルクの大きさが, Intramobile Connector (IMC) あるいはチタンエレメントを用いたIMZインプラントの機械モビリティに及ぼす影響を検討し, IMZインプラントにおける適切な締め付けトルク値を明らかにすることを目的とした.
方法: 被験インプラントとして, 5人の患者の口腔内で機能している8本のIMZインプラントを選択した. 個々のインプラントにIMCを用いた場合と, チタンエレメントを用いた場合について, 同一の上部構造を専用のトルクレンチを用いて85, 145および180Nmmのトルクで装着し, 水平的機械モビリティをわれわれの開発した動揺度自動診断システムを用いて3回ずつ測定した.
結果: IMCを用いたIMZインプラントでは, トルク値が大きくなるに従い機械モビリティが小さくなった. Friedman検定の結果, IMCを用いたIMZインプラントの機械モビリティは, トルク値によって有意な変動を示すことがわかった (p<0.01). しかし, チタンエレメントを用いた場合は有意な変動は示さなかった.85あるいは145Nmmで上部構造を装着した場合, インプラントの機械モビリティはIMCを用いたインプラントと, チタンエレメントを用いたインプラントとの間に有意な差が認められた (p<0.05).しかし, 180Nmmで締め付けた場合, その差は小さかった.
結論: IMCのもつ側方ストレス分散効果を損なわないためには, 85, 145Nmmで上部構造を固定する必要がある.

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